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家で必要な作業に追われていた。窓を開けたら、「カンカンカンカン‼︎」「ヴィィイイイイイ‼︎」という音が聞こえてくる。英語劇大会の小道具班が使っている叩き場が近所にあるから、物を製作する時の音が聞こえてくるのだ。そして近所といっても近所すぎる。極限まで大股を開いて(張り裂けそうなくらい)20歩もあるけば恐らく到着する。「フォッーウ!!」みたいな声も聞こえる。恐らく何か完成した時だ。聞こえてくると「…多分何か出来上がったな」と思う。

僕よりも更に近隣の近隣住人は凄い忍耐力だと思う。英語会には無関係であるし。もしかしたら「ヴィィイイイイイ‼︎」と音が鳴る時に「ウルセェエエエ」と叫んでいるかも知れないが、その声は無情にもヴィィイイイイイに掻き消される。ヴィィイイイイイvsウルセェエエエはヴィィイイイイイの勝ちだ。敗北した後聞こえてくる「フォーッウ!」にその人は何を感じるだろうか。また、何年も近隣に住んでる人なら達観して「またこの季節がやってきたなぁ…」と染み染みするかもしれない。お茶を飲み、ほっこりしながらヴィィイイイイイを聞くかもしれない。ヴィィイイイイイという音の周りには色んな人が居るのだろう。僕は「やってるな〜頑張ってるな〜」と思いつつも、「まぁ普通にうるさいわ」と思いピシャッと窓を閉める。閉めちゃう。

 

「幹線沿いじゃ爆音 静かな高層階がいいの いいの」-デザイナーズマンション/スキマスイッチ